養老(ようろう)
- 養老:観世・宝生・金春・金剛・喜多
- 能柄:脇能物・男神物・太鼓物
- 人物:
- 前ジテ・老翁[大口尉出立(着流尉出立にも)]
- 後ジテ・山神[透冠狩衣大口出立]
- ツレ・樵夫[水衣男出立(大口)]
- ワキ・勅使[大臣出立]
- ワキヅレ・従者[大臣出立]
- アイ・本巣の里人[掛素袍括袴出立]
- 鑑賞:
美濃の養老ノ滝の付近に薬の泉が湧き出たというので、その検分に勅使が遣
わされる。勅使は、泉を発見した若者とその老父に出会う。若者は親孝行な男
で、薪を取っては父母を養っていたが、ある日ふと飲んだ泉の水があまりにさ
わやかだったので、汲んで帰って父親にすすめたところ、老人は見違えるよう
に若やかになった。そのことから滝にも「老いを養う」という意味から、養老
の名がついたのだという。老人は事の由をこう説明して、薬の水を汲み、勅使
にも捧げて立ち去った(上歌・下歌・ロンギ・中入)。勅使が帰って天皇に奏上しようと言うと、
空から音楽が聞こえ、山神が現れる。そして、治まる。御代のめでたさを祝福
し、壮快な舞を舞う(神舞・ノリ地)。